lake2017 の休憩所

英語・音楽・探偵小説・SF・社会情勢等ゆるく書いていきます。

macOS Catalinaアップグレード顛末記

lake2017は20年来のMacユーザです。勤め人やってた間は渋々Windowsを使っていましたが、自由の身になってからはずっとMacです。


MacとWindowsの差は何かと聞かれたときには、自動車のオートマとマニュアルの違いだと説明しています。細かいところを考える必要がないので、作業に集中できます。


Macの基本ソフト、macOSはだいたい年に一度メジャー・アップグレードがあるのですが、最新版のCatalinaが今日一般公開されました。新しいものに目のない私なので午前中に飛びついちゃいましたよ、昼から仕事があるのに。



パソコン関係に詳しい方はお分かりだと思いますが、基本的に初物は危険です。リリース直後の導入は避けて、バージョンがコンマ1上がるのを待つ人も多いです。ですがしかし、自ら使ってバグ報告することに使命感を持っている私としては、今日、すぐにインストールしちゃいたいわけです。で、やっちゃったわけですよ、仕事用のMacに。


結論から言うと、仕事に必要な面に関しては特に問題ありませんでした。Paralles Desktopはちゃんと動くし、Microsoft Office for Macも大丈夫。ただ細かいツールが互換性がとれなくて動かないものがあります。Parallesに付いてきたスクリーンショットのツールはデスクトップピクチャー以外キャプチャ出来なくなっているようです。まあ、システム標準を使えばいいんですけどね。32ビットアプリが完全に切り捨てられたので、ちょっとずつ動かなくなっているものが判明してくると思います。


それ以外は、快適です。仕事の能率も上がった気がするのは多分気のせいでしょうけど。でも、新しいシステムになったというだけでうきうきするのは私だけでしょうか。


というわけで本日はここまで。

英英辞典を使う


英英辞典について書いてみたいと思います。一部の人には英語の単語と日本語が一対一で対応しているという誤解があるようですが、現実にはかなりズレています。ただし、訳語ベースの英和辞典を使っている限りそのあたりに気付かないことが多いです。


そこで英英辞典の登場です。単語の意味を定義してそれがどんな状況で使用できるのかがよく分かるようになります。


以下に日本人学習者にも使いやすい英英辞典を三つほど紹介します。学習の参考にしていただければ幸いです。


Longman Dictionary of Contemporary English (6E) Paperback & Online (LDOCE)
Longman Dictionary of Contemporary English (6E) Paperback & Online (LDOCE)
Pearson Japan

ロングマンの代表的な英英辞典"Longman Dictionary of Contemporary English"です。定義に使われている表現が平易なため、比較的取っつきやすい辞書だと思います。例文も豊富で発信型の表現の学習にぴったりだと思います。判型を小さくして収録語数を減らした
"Longman Active Study Dictioary"もあります。


【DVD-ROM付】オックスフォード現代英英辞典 第9版
【DVD-ROM付】オックスフォード現代英英辞典 第9版
旺文社

「オックスフォード現代英英辞典(Oxford Advanced Learner's Dictionary)」は最初「新英英大辞典」として戦時中の日本で出版されました。定義はLDOCEと比べるとやや固いのですが、ネイティヴ向けの英英辞典ほど難しいわけではありません。こちらも例文が豊富です。判型を小さくして収録語数を減らした"Oxford WordPower Dictionary"もあります。


Collins コウビルド英英辞典
Collins コウビルド英英辞典
桐原書店

「Collins コウビルド英英辞典(Collins COBUILD Advanced Learner's Dictionary)」は定義の記述法に特徴があります。フルセンテンスで定義がされているため、それ自体が例文であり文法説明となっています。そのため上に挙げた二つと比べると冗長な印象を受けるかもしれませんが、それがわかりやすいと感じる人も多いと思います。こちらも例文は豊富です。こちらも判型を小さくして収録語数を減らした"Collins COBUILD Intermediate Learner's dictionary"があります。


以上、英語学習に役立つ英英辞典を三冊紹介しました。実際に手を取っていただければ分かりますが、意外に敷居は低いです。英語学習者の参考になれば何よりです。


本日はここまで。

楽しい戦前派探偵小説入門

今回は日本の本のお話。



今から思えば、大正末期から昭和ヒトケタの日本は背景に危なっかしいものを抱え込みつつも、大衆文化は百花繚乱といった感じでした。エロ・グロ・ナンセンスがブームになり、街にはモボ・モガが闊歩する時代です。そんな中でエンターテインメントとして大ブームとなったのが江戸川乱歩を筆頭とする探偵小説です。


「探偵小説って推理小説のことじゃないの」という疑問を持たれた方もおられると思いますが、正直に言ってその通りです。ただ、戦前の時点では科学小説(今のSF)や幻想・怪奇小説がまだ未分化の状態で探偵小説の一部となっていました。昭和40年代に「異端文学」なる言葉が流行ったことがあるのですが、だいたい戦前の探偵小説と重なっていました。実際、戦前派の作家の作品が大量に復刻されてました。


とりあえず、何冊か見ていきましょう。

黄金仮面
黄金仮面
東京創元社
2012-10-25
Kindle本

ツウの方からは顰蹙を買いそうですが、江戸川乱歩は「黄金仮面」がお気に入りです。初めて読んだ大人向けの乱歩がこれだったからかもしれません。いわゆる通俗長編のひとつですが、目立った破綻もなくよく出来たスリラーです。あえて欠点を探せば犯人が[検閲済]。


少女地獄 夢野久作傑作集 (創元推理文庫)
少女地獄 夢野久作傑作集 (創元推理文庫)
東京創元社
2016-08-31
Kindle本

戦前の探偵小説といえば夢野久作を忘れてはいけません。変格探偵小説という言葉が当時あったのですが、夢野はまさに変格派。「謎解き何それおいしいの」みたいな作風です。タイトル作「少女地獄」は三篇の短編からなるオムニバスで、最初の「何でも無い」がお気に入りです。ヒロイン姫草ユリ子の魅力に虜になる人は多いでしょう。夢野といえば「ドグラ・マグラ」という方も多いと思いますが、あれは作者の世界に慣れ親しんでから手に取った方がいいでしょう。


日本探偵小説全集〈6〉小栗虫太郎集 (創元推理文庫)
日本探偵小説全集〈6〉小栗虫太郎集 (創元推理文庫)
東京創元社

小栗虫太郎は「完全犯罪」を押したいのですが、表題作になっている本が現在出版されていないようなので分厚いこれにしました。個人的には小栗は中短編作家だと思います。独特の文体にペダントリーが魅力的です。ちなみにこの本には「黒死館殺人事件」が収められていますが、短いのを読み尽くしてから取り掛かった方がいいです。いきなり読むと混乱するだけだと思いますので。


とりあえず三冊紹介しましたが、戦前派探偵小説は底なし沼です。入り込むと抜けられなくなりますよ。


本日はこの辺で。