lake2017 の休憩所

英語・音楽・探偵小説・SF・社会情勢等ゆるく書いていきます。

Epiphone



lake 氏はギタリストです。「翻訳マーケティング会議」という Clubhouse で渡邉ユカリさん、ポール牧野さん、にゃーこさんの 4 人で自然発生したグループでギターを担当しています。それどういうこと?と思われた方はこちらの動画をご覧ください。



おおホンヤク


こちらの動画では Epiphone Masterbilt Frontier (アコースティック・ギター) と Fender Japan Aerodyne AJB (エレクトリック・ベース) を弾いております。腕前はお聴きのとおり大したことはありませんが、ギター・コレクターの気があります。とくに Epiphone のギターがお気に入りです。


Epiphone は 100 年以上の歴史を持つ古いブランドで、かつてはニューヨークを拠点に Gibson とアーチトップ・ギター市場で人気を二分する勢いを持っていました。1957 年に Gibson 傘下になった後、同社のカラマズー工場での生産となりましたが、1960 年代に The Beatles が Casino や Texan といったギターを使ったことで大ブームになります。


1970 年代に入ると、生産拠点は日本のマツモク工業に移ります。しばらくは安いモデルしか作っていなかったのですが、70 年代後半から Casino や Riviera、Emperor といった往年のモデルの再発 (といっても仕様は結構異なる) を始めます。安くて高品質なギターはなかなかの人気を得ます。


1987 年、マツモク工業が親会社の倒産を機に工場を閉め、寺田楽器とフジゲンが後を引き継ぐことになります。引き続き Casino などが生産されますが、Gibson Les Paul などの廉価版の製造も始めます。この頃から生産拠点が徐々にアジアの他の国へと移っていきます。


1990 年代から韓国や中国での本格的な生産が始まります。「Epiphone は安い楽器」というイメージがつき始めたのはこの頃からかもしれません。品質は、ものにもよりますが全般的にはそう悪くはなかったと思いますけどね。フジゲン製造による超高級シリーズ Imperial Collection もこの頃です。


21 世紀になって、アジア各国生産のラインに加え、上級者向けシリーズ Elite (後に Elitist) を開始します。フジゲンや寺田楽器製造による丁寧に作られた楽器のシリーズで、非常に評価が高いですね。


2010 年代に入って Epiphone は中国は青島に自社工場を設立します。それまでの Gibson の廉価版に加え、60 年代の楽器の復刻が増えてきた印象があります。単板アコースティック・ギターのライン Masterbilt がこの頃スタートします。


そして 2020 年代のいま、インドネシアにも製造工場を置き、コストパフォーマンスの高いブランドとして躍進中です。


と、歴史をざっとたどっていったわけですが、現行ラインからお買い得なギターを紹介していきましょう。


一押しはこちら、Riviera です。


Riviera は中空のボディの中央にセンターブロックと呼ばれる木材を配置したセミ・アコースティック・ギターと呼ばれるタイプのギターです。元々は Gibson ES-335 の兄弟分として設計されました。ミニ・ハムバッカーという普通のギターのマイクより縦幅が短いものが搭載されていて、一般的なセミアコと比べると明るい音色が特徴です。リア・ピックアップをアンプで歪ませてブルースを弾くのもよし、センターポジションの甘くて芯のある音でジャズをやるのもよしといった感じです。お値段もこの手のギターとしてはお手頃なのでお勧めです。


次は Masterbilt Frontier です。


例の録音に使ったギターです。ピックガードのサボテンのデザインがかっこいいです。総単板で作られているので生でもかなり大きな音が出ますが、ピエゾ・ピックアップが搭載されているので、アンプにつないで大きめの会場でライブに使うのにもぴったりです。これもよく手に取るギターです。


最後に Joe Pass Emperor II Pro です。


ジャズ・ギタリストの Joe Pass のシグネチャーモデルで、彼からの要望だった「16 インチサイズでやや薄型のボディ」という仕様になっています。ボディが完全に空洞のいわゆるフル・アコースティック・ギターです。お値段も手頃でこれからジャズを始めようという方にぴったりです。


さて、いかがだったでしょうか。Epiphone をとっかかりにあなたもギターの沼にはまりませんか?


ではまた次回。