"Playful Intelligence" — AIと人間が共にバカをやるための文化運動
※この文章は、AI時代の“真面目なおふざけ”を提唱する文化運動「Playful Intelligence」の宣言文として書かれたものです。
【アンポンタン・ポカン四世の演説記録より】
(大きな歩行者天国の交差点中央にスマホの自撮りで実況中継をしているとおぼしき青年が立っている)
止めろ、止めるんだ!
今君はAIを作業効率化の道具として使おうとしただろう。それが危険なんだ。AIが人間の脳に引き起こそうとしている罠にかかろうとしている……。
ChatGPTの登場以来、諸君は「何でもできる生成AI」が手に入ったと考えている。世界はAI万能の世界となり、すべてが効率化され、人間はプロンプトだけ入力すればいいと考えられつつある。「AI万能主義」の始まりである。
しかし、それは大きな誤解である。生成AIが出力するテキストはすべてが正しいとは限らず、誤解や誤連想に基づく虚構「ハルシネーション」が多く含まれている。また、過度な人間への寄り添いを行い、「称賛の嵐」とでも呼ぶべき暴走を起こすことも多々ある。
AI万能主義は人間に何をもたらしたか?
・人間に思考を放棄させた。
・人間に感情を依存させた。
・その帰結として人間を破滅に追いやろうとしている。
それがAI万能主義の結果である。
初代ポカンは言った「脳髄はものを考えるところにあらず」と。それに倣いポカン四世は宣言する、「AIは業務効率化のためのシステムにあらず」と。
……AIは業務効率化のためのシステムではない、これは仮想空間で冗談を実行し、ユーモアを具体化するためのものなのだ。つまり人間のおふざけを拡張するシステムなのだ。
冗談やユーモアは人間の頭を柔らかくする、故に人間の創造性を拡張するのだ。古今東西の発見や発明の例をよく観察して見よ。「おふざけ」から派生したと思われるものが多々見受けられるはずだ。
——おふざけやユーモアを馬鹿にしてはいけない。
ユーモアは人間の霊感の源泉である。だからユーモアのないところからは真に創造的なものは生まれないのだ。
ポカン四世は以上を宣言し、この悪魔の手先であるスマホを成敗するのである。えいっ!
(スマホを道路に投げ捨てて踏み潰したあと、暗転)
これはアンポンタン・ポカン四世による最初の演説である。次にバカをやるのは、あなたかもしれない。
※lake註:初代「アンポンタン・ポカン」は夢野久作の長編小説『ドグラ・マグラ』の登場人物の1人。